作り手と演じ手を尊敬「CHANGE」最終回 [テレビドラマ]
途中、何度も
すげぇ!すげぇ!すげぇ!
と一人で連呼してしまった。
最終回90分スペシャル(実質は75分くらいか?)の22分間を木村拓哉演じる朝倉首相の演説に当てるという
フジテレビの看板枠月9のドラマ最終回にこんな大胆な演出を採用した作り手と22分間の長まわしワンカット、カメラの動きは緩やかなズームと引きのみというなか見事に演じきった木村拓哉を心からリスペクトします。
ちょっと今は興奮で冷静な文章が書けないので明日、改めて「Change」というドラマの感想を含めて記事にできればと思います。
いや、ほんとにすごかった。
ドラマが作りたくなりました。
「色」を上手く使った演出が見事!!!「女王の教室」 [テレビドラマ]
リアルタイムで放送していたものは、全く観ることができなかったのだが、その映像演出の面白さや、革新的な教師像が私の周りでも何度も話題になっており、05年に放映されたドラマでも気になっていたドラマのひとつである「女王の教室 」が昨年末にノーカットで再放送されていたので視聴してみた。
この作品、脚本もびっくりしたのだが、個人的に何より目を見張ってしまったのは「色」への配慮だった。
作品中、天海祐希扮する教師阿久津マヤが登場するシーンや教室のシーンは「青」を基調としたコントラストを抑えめにしたかなり独特な画質で統一されており、この「阿久津カラー」とでも言うような、画面を彩る「色」が、物語に独特の「緊張感」や「不安感」を観るものに抱かせることに成功していたように感じる。
劇中、幸せそうな主人公の神田和美に暗雲が立ち込めるであろうことが、それまでの平坦だった画面の色から、青みがかった「阿久津カラー」に変わっていくだけで、マヤがいる!何かよからぬことがある!と、画面の色をみているだけで感じさせてしまう、このような「色」を上手く使った演出方法はテレビドラマとしては画期的で、私にはかなり衝撃だった。
差し込む「光」をフィルムの中に閉じ込める岩井俊二監督の作品など、映画の世界では「色」を使った演出を目にすることは少なくなかったのだが、保守的とさえいわれるテレビドラマの演出でこのような「色」を使った演出を効果的に行うことができただけでも、この「女王の教室 」はテレビドラマ史に名を残すべき作品だと私は思う。
ストーリーの方も、尋常でないほど厳しく恐い阿久津マヤがクラスを掌握していく様子や、保護者たちをまるめこむ様子が丁寧に描かれており、
こんな先生ありえないけれども
あの場面で、あんなふうに言われたら、納得してしまうかもなぁ確かに・・。
と、観ている側を納得させる「隙のない」セリフや行動を積み重ねることによって「あんなのドラマの中のお話だよ」の一言では済まさせない説得力を持って、ぐいぐいと観るものを引き込ませていく。
「目を閉じても、問題は消えてなくならないわよ。目を開けた時に、事態はもっと悪くなっているだけ」
(「女王の教室」阿久津マヤのセリフより抜粋)
ただ「女王の教室」の中で阿久津マヤがはく、セリフはかなり攻撃的で実際、途中まで観ていたけれども、続きが怖くて観ることができなくなってしまったという知人もいるほどだ。
もし、小学生という多感な時期にあのような優しさのかけらもない先生が実際に存在したら、多くの子供たちが将来「消えないトラウマ」を持ってしまうかもしれない可能性があるので、どんなに立派な「教育的信念」を持っていたとしても危険だと、私ならば糾弾するだろう。
しかし、これはあくまで「テレビドラマ」であり、「学級崩壊」が珍しい現象では無くなってしまった現在の日本の小学校の教育界に向けて多くの問題提起を促してくれるものだと考えれば、あの阿久津先生のいきすぎるほど厳しい行動も必要なものかもしれないと感じてしまった。(あくまでドラマの中でですが)
再放送の最後で発表されたので知っている形も多いかもしれませんが、この作品、今年の春にはスペシャルとして帰ってくるようです。
観ていてキツイ場面もあるかもしれませんが「色」の演出を確認してみるだけでも観る価値はあると思うので未見のかたは是非!!、
キッズウォーの井上真央が好演!「花より男子」ドラマ版 [テレビドラマ]
「昨日、「花より男子」観た?」
「観た!観た!面白かったぁ」
「自分はコミックス読んでるんだけど、原作と結構展開違うよドラマは。」
「いやぁ、花沢類がカッコいいねぇ。」
「そう?でもコミックス読んでると段々、類より道明寺の方が好きになってくるんだよ。」
「へぇ~、そうなんだぁ。」
以上、3週間前ぐらいにふと立ち寄ったある中華料理屋で隣の席に聞こえる大きな声で話していた男子大学生二人の会話。
もうひとつ、3年前にサッカーサークルに所属していたちょっとコワモテの後輩が待ち合わせの時にカバーがついた本を熱心に読んでいたので、
「何、読んでるの?」
と興味本位で尋ねたら、それまで見たこともない真っ赤な顔になって
「は、「花より男子」です。最終巻がでていたので、買ってしまいました。自分、アネキが実家で揃えていたので気になってしまって。」
と言っていたことをボンヤリと思い出してしまった。
と、いうのも現在、金曜10時にTBSにて毎週放映されている「花より男子」のドラマが、とても面白い!からだ。
今クールのドラマで唯一、私が毎週楽しみに観ているドラマである。
TVドラマが始まる前に私が最も「花より男子」の名を聞いたのはたぶん10年前の95年こと。当時、人気絶頂だった内田有紀が主演で映画化されたときのことだ。
今でこそ「NANA」を毎巻楽しみに購入したり、「のだめカンタービレ」を全巻揃えようとたくらんだりしているのだが
当時16歳だった私は、世間の話題をさらっていた「花より男子」を読んでみたい!
と思っていたのに「少女漫画」を読むということが何故だかとても恥ずかしい行為のように感じられて、読むことを避けていたことを覚えている。
私は兄と弟の男3兄弟というそれはそれはむっさい環境で育ってしまったので、部屋には割と男臭いスポーツ漫画や格闘漫画で溢れていた。
姉や妹がいる友人は、当たり前のように少女漫画を読んでいて
「少女漫画って面白いの?」と聞くと、必ず面白い漫画であがってくるのが
「彼氏彼女の事情 」と、この「花より男子 」だったような気がする。
こういう原作が人気がある漫画のドラマ化は、たいてい演じる人間のキャスティングがまず人気を左右する一因になると思うのだが、主人公であるつくし役には、キッズウォーの子役で注目を集めた井上真央が演じていているのだが、これがビックリするくらいいい味を出している!
彼女、とりたてて美しい顔立ちをしているわけではないのだけれども、瞬間瞬間にコロコロと変わるその表情は、なんとも魅力的でつくしのイメージにもピッタリと思わせてくれる。ドラマの中で道明寺がベタボレしていくのも、観ていて素直に納得できてしまう。
そして、その道明寺役の松本潤や花沢類役の小栗旬、その他のF4の面々もみなキャラが立っていて、最初はわざとらしい演技にかなり違和感があったのだけれども、コミカルだけれども展開にスキがない脚本と演出のせいか、みな愛すべきキャラクターに思えてくるからスゴイ!
また、「花より男子」を見ていると何度も「ありえねぇ」というような展開やセリフが繰りだされるのだが、ドラマで描かれている世界観が統一されているせいか、この中でなら納得できるかもという説得力をもっている。
うわさによるとこのドラマ、「のだめカンタービレ」のドラマを上野樹里主演で撮ろうとしてすすめていたのだけれども脚本がひどくて原作者の許可がおりなかったための急遽ピンチヒッターのドラマだったらしいです。
が、そんなことを感じさせない出来栄え!
見事です。演出やカメラワーク、オープニングの静止画を切り貼りして面白い効果をだしている映像等、見習いたいとこたくさんあります。ホントに。
どうやら、原作とはだいぶ雰囲気も違ってきているようなので、ドラマが終わったらゆっくりと漫画のほうにも10年越しに目を通してみようかな★