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戦え!生き抜け!調理場は戦場だ! 「バンビーノ」を読んで [漫画]

「男はね…

 はじめっから男やなかよ。

 男になるもんタイ。

 

 うまかもん作る料理人ならなおさらばい。

 あいつは料理されないけん。

 火と水ー オリーブオイルと香辛料ー 

 それもとびっきり上質のやつで!

 

 ものすごぉ悔しか、とか。

 あいつにだけは負けとうなか、とか。

 そげん気持ちがなかとダメったい。」

(「バンビ~ノ! 1 (1) 」せきやてつじ著より)

バンビ~ノ! 1 (1)

バンビ~ノ! 1 (1)

  • 作者: せきや てつじ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/03/30
  • メディア: コミック

 現在、ビッグコミックスピリッツにて連載中のイタリアンリストランテを舞台にした漫画「バンビーノ」。

 調理場のスピード感、温度、匂いまでをも感じさせてくれるような臨場感を描写するスポ根系料理漫画。

 かつて、某中華レストランでバイトしキッチンで中華鍋を振って調理をしていた私が知っている「キッチン(厨房)のリアリティ」という意味でこの漫画を超えるものを読んだことがない。

 厨房に入ったばかりのサポートメンバーに必要なこと。メニューを理解し、オーダーを把握し、調理場の今を敏感に察知しながらみなの次の行動を予測して、行動し皿をだし、食材を用意し、鍋(フライパン)を洗う。中華とイタリアン、料理の種類は違えどキッチンで必要なことが同じであることに感動を覚える。

 私が働いていた店でも週末のディナーには1時間100人を超えるお客が入り、厨房は戦場になっていた。3つのコンロで3枚の鍋を加熱し同時に3品目の料理を調理する(このテクは「2枚鍋」「3枚鍋」といった呼び名だった)には、鍋を作りながら、どんなわずかな調理の手空きの時間も無駄にしないよう、次に調理するものを考え、常に動いていなければならなかったが、「バンビーノ」には、そんな厨房のリアルが丁寧にそれでいてスピーディに描かれている。

 また、そんな厨房のリアルさだけにとどまらず、登場する人間がみな個性的で味のあるセリフをはいてくれる。その含蓄のあるセリフは料理のことを指していてもまるで人生訓のようにすら聞こえる。

器用な味だ。

 器用ってのは人まねってことだ。

 自力と勘違いしちゃいけねなぁ。」
(「バンビ~ノ! 1 (1) 」 せきやてつじ著より)

 太い線と大胆なコマ割りにとっつきにくい人もいるかもしれませんが、一度、キッチンで働いたことがあるには特に一読を薦めたい一冊。料理もそのアツアツの温度が伝わるかのように描かれているんでイタ飯好きの人も是非☆


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KIRIYUKI

バンビーノ用語辞典始めました。
by KIRIYUKI (2007-05-01 16:52) 

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