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言葉が零れ落ちている「絶望に効く薬」山田玲司作 [漫画]

ここ半年ぐらいで、Mixiやブログの普及のせいで定期的に他人の文章を読む機会が増えました。

そうやって同じ人の文章を定期的に読んでいると、当たり前のことなんですが、人によって文体の特徴や、好んで使っている言葉にはっきりとした差があることに気づいたりして「文章も個性を知る手段だな」としみじみと感心したりします。

 

私が、自然とよく使っている表現に

 

言葉が零れる。

 

と、いうものがあります。

 

実体験として、美しい風景をみたり、心を揺さぶる音楽を聴いたときに自然と口をついてしまう言葉があることや。

伝えたい感情が先走りすぎて、考えがまとまらないうちに口から言葉が出てしまったときに、

この言葉を発してしまうことをコントロールできない様子は

零れ落ちる

という表現が最もしっくりくるような気がするなぁと感じてから、好んで使っています。

 

 

「NHKにようこそ!」のようにジャケ買いによって出会った、この漫画

絶望に効くクスリ 1―ONE ON ONE (1)

絶望に効くクスリ 1―ONE ON ONE (1)

  • 作者: 山田 玲司
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: コミック

は、そんな「零れる」という表現がぴったりとくるような

出会いによって生まれた素敵な「言葉」達で溢れた一冊です。

 

革命的対談漫画

と、銘打たれたこの漫画は、「ゼブラーマン 」や「Bバージン 」で知られる漫画家山田玲次が毎回「会いたい!」と願った人と対談し、その様子を報告するというスタイルで進んでいきます。

 

こういった対談物は、以前から

「誰に話を聞きにいくか?」

ということよりも

「誰がどういった姿勢(スタンス)で何を聞きにいくか?」

が、その面白さを決定している気がしていました。

 

本書では聴き手側の山田玲次が常に

「答えがわからないなりに自分でも必死に考えている」

姿勢で対談をしているせいなのか、

対談者があらかじめ考えていた話をただ聞いていくのではなく、

対談の中で、山田玲次から自然と口をでた疑問にたいして、対談者が用意していたわけではない返答を返していく様子が織り込まれていて、

 

そのやりとりはまさしく「言葉が零れ落ちる」様子そのもので、読んでいて非常に楽しめました。

 

 

 

人と人が話す。

という行為がとても面白いものだということをどれだけ知っていても

音楽雑誌や文芸誌で「○○と3万字インタビュー!!」のようなタイトルが踊っていると、

活字を読むことに慣れていないタイプの人にとっては、きっと面白いこと話しているんだろうけど

「3万字・・・、読むのきっついなぁ・・。」

とおっくうになってしまいがちです。(私がそうなので(汗))

 

現在、6巻まで刊行中の本書、是非是非、そんな活字が苦手な大人たちにこそ、手にとって欲しい一冊かもしれません。

 

本屋のヒットランキングを独占しているような、お手軽がウリのビジネス本よりも、何倍も面白いうえに、人生に役立つ言葉で満ちていることは約束できます☆


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