SSブログ

「半落ち」を観て [映画(DVD)]

半落ち

半落ち

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2004/07/21
  • メディア: DVD

 「このミステリーがすごい!2003年度版」等で1位となった横山秀夫氏のミステリー小説の映画化。監督は、「陽はまた昇る」の佐々部清。

 この映画は決して華はないが演技が上手い俳優をずらりとそろえた渋めの豪華キャストになっている。アルツハイマーの病にかかった妻を殺した元敏腕刑事に寺尾聡、妻役に原田美枝子。柴田恭平、西田敏行、伊原剛志、鶴田真由、樹木希林、吉岡秀隆・・と、端役にいたるまで演技力にこだわったキャスティングになっている。2時間では、登場人物を描ききれないぶん短い時間で人生を滲ませることができる役者達をそろえたのかもしれない。

 ストーリーは、元捜査一課警部、梶(寺尾)が3日前に妻を殺害したと警察に自首してくることからはじまる。梶は自首はしたものの犯行後2日間の行動については沈黙を守る「半落ち」の状態。しかも梶は半年前に若くしてアルツハイマー症になった妻(原田)の看病のため辞職し、警察学校で教師をする人望の厚い人物だった。その犯行を訝しむ刑事(柴田)、検事(伊原)、弁護士(國村)、新聞記者(鶴田)らは調査を進めていくうちに真実が見えはじめて・・。と、いうもの。

 この映画は生きるとはなにか?愛とはないか?を、リアルに観るものに突きつけてくる。
 アルツハイマー、白血病、介護問題といったキーワードを軸にして物語りは何度となく

「あなたは何のために?誰の為に生きていますか?」

 という問いを繰り返してくる。
 老いや病によって愛する人が壊れていくのを目の前にしたとき、どうするべきか?この問題は、介護に関わったことがある人はもちろん、ないひともいずれ身近な問題になるかもしれない可能性を秘めているものだ。

 正直、前半の警察と検察、マスコミの駆け引きややりとりはわかりづらくやや緊迫感にかけるし映画全体の盛り上がりも穏やかでここという映画らしい見せ場はないに等しい(あえて挙げるとして裁判シーンだが)。いい意味でも悪い意味でも非常に良く出来たテレビドラマスペシャルといったチープさを感じてしまう作品ではある。また、ミステリー的見せ方は凡庸で原作ファンから批判があがっているいうのも判らなくもなかった(原作ものの宿命だが)。
 
 しかし、そういうことを踏まえてもDVDでもテレビでも良いので多くの人の目に触れて欲しい素敵な作品だと思うのでまだ未見の方は是非どうぞ。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 2

omitaka

発見!!
「西千葉のアイドル」で検索してみたら発見しました。
ってか、ちゃんと「西千葉のアイドル」で検索するとおれのページ出てきたー。一安心。
「西千葉」で検索して出てくるようにせなね。

ひとまずおれのブログにリンク張っておきます☆
by omitaka (2005-09-05 01:52) 

Cinemanabu

> omitakaさん
リンク先を教える前に見つけてもらえて幸せです。
このブラグの「そっと」の記事からも、松尾くんのブログにTBさせてもらうね。
by Cinemanabu (2005-09-06 11:34) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。