「NANA」13巻購入 [漫画]
「たまには道を大きく踏み外さないと
自分や周りを客観視することはできないんだよ。
ちょっと哀しいけれど人はそうやって大人になって行くんだって。」
(NANA13巻より抜粋)
最新刊がでるたびに迷わずに購入する漫画のひとつである「NANA」。
その最新刊13巻を購入。
映画公開を直前に控えて雑誌やテレビ、ラジオといったさまざまなメディアで「NANA」の話題を見聞きしていたこともあって本当に発売日が待ち遠しかった。
相変わらずの人物の心理描写の巧みさにぐいぐいと引き込まれる。とりわけ、セリフの秀逸さにはリスペクトに似た感情さえ湧いてくる。
言葉は、感情を伝える最も便利な手段だけれども決して万能ではないこともよく実感する。
それは、人が生きていく中でうまれてくる感情が、「嬉しい」「哀しい」といったシンプルな形容詞一つで表現できるような単一のものではなく、「嬉しくもあり、哀しくもあり、寂しくもあり、可笑しくもある」そんなふわふわ、もやもやとしたものであるときの方が多いから。
13巻では、物語の途中から暗示されていた悲しい結末へゆっくりと向かっていく原因になりうるだろう小さなほころびがちりばめられていて読み進めるのが少し怖くなってしまった。時として「優しさ」や「思いやり」や「恋しさ」や「愛」だって、大切な人を傷つける原因になる。誰一人、「悪く」はないのに誰もが傷ついてしまうときが人生には度々やってきてしまうことがあるのは経験的にわかっているつもりだけれども。できれば、そんな時でさえも「生きる」ことにとって必ずしもマイナスにしか働かないわけじゃないことを感じさせる結末を望んでしまう。
なんだか、とりとめもない文章になってしまったけれども現在13巻まででている矢沢あい作「NANA」、お勧めです。男性読者も増えてきているようだけれども、まだ読んだことがないって人は是非一読を。ダラダラとしたストーリー展開や綺麗過ぎる絵柄に馴染めなかったとしても心に残るセリフに出会えることは約束します。
「くじけるなハチ公。
人生は七転び八起きだ!
立ち上がり続けりゃ勝つんだよ」
(NANA13巻より抜粋)
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