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「のだめカンタービレ」作・二ノ宮知子を読んで [漫画]

私は、人を笑わすことに長けた「コメディアン」な人々をリスペクトしている。
どうしようもない悲しみも絶望も苦しみも極上の「笑い」は、例え一時だとしても忘れさせてくれるから。それに、人を「笑わせる」というのは、「感動」させるよりもずっとずっと難しいと感じているから。

歳を重ねるほどに、「笑い」というものが人とのコミュニケーションや物事を伝えるためのアクセントとして強力な力を発揮するのを身を持って体感することが多くなりこの考えは強くなる一方で。

二ノ宮知子作「のだめカンタービレ」は、クラシック音楽を題材にした「笑える」音楽漫画だ。

のだめカンタービレ 1~12巻セット

吹き出してしまうような楽しいシーンやセリフに溢れてはいるが、決してこの漫画を単なる「コメディ」作品としてお薦めしたいわけではない。

アクセントとしての「笑い」を武器に一癖も二癖もある愛すべきキャラクターたちが織り成すクラシック音楽界を舞台にしたこの物語は、作品の中で演奏されているその曲を知っていなくてもまるで聴こえてくるかのように錯覚させてくれるほど「音楽」が零れ落ちるものになっている。

視覚にしか訴えることができない漫画というメディアで「文字」と「絵」だけで、音を感じさせることに成功した作品を私はこの「のだめ~」と音楽のジャンルは違うが「BECK」(こっちはROCK。いずれレビュー書きたい)しか、挙げることができない。

コマの中に譜面をいれることでイメージされる音、演奏されている曲のイメージを喚起させる大胆なコマ割りは題材となる曲ごとに異なり、その多彩さに引き込まれる。この作品のあの演奏シーンが好きだから是非、曲を聴いてみたいなと素直に思えてくる。

クラシック音楽のCDなんて買ったことも借りたこともなかった私ですが、現在、この漫画で題材になったクラシックの音源を集めたCDが発売されていることを知って買ってしまおうかと本当に悩んでしまうほどに。

現在、13巻まで刊行中の「のだめカンタービレ」。
クラシックが好きな人はもちろん、クラシックなんて退屈で聴きたいと思ったことがない。というあなたまで楽しく読めること間違いなし!な作品です。ホントに。コマ割りとか線とかも、どっちかというと少女マンガというより青年マンガ(そんなジャンルがあるならば)な感じなので是非、ぜひ一読を☆


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オサルノカゴヤ

ぼんやりいまごろコメントでごめんなさい。
クラシックなんて人がよりつかないし、
音楽ものってマンガにもドラマにも映画にもしにくいものなんですが、
のだめはほんとにうまいと思いますね。
by オサルノカゴヤ (2005-10-22 00:20) 

Cinemanabu

> オサルノカゴヤさん
コメント&TBありがとうございます。
コメントはどんなタイミングでいただいても嬉しいですよ☆
私の知人も「のだめ~」を読んで楽器が弾きたくてしょうがなくなってキーボードを買いましたよ。私も、たまに練習させてもらってます。全然、うまく弾けませんが楽しいです☆
by Cinemanabu (2005-10-22 17:57) 

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